書評

マーケター人生を客観的かつ戦略的に考えて見よう

今回読んだのはこの本。著者は山口義宏さん。

前書の「デジタル時代の基礎知識『ブランディング〜』」をきっかけにTwitterをフォローしていたのですが、マーケティングに関しての鋭いツイートと、Minimalのチョコ食べたいというチョコ愛のツイートが特徴的な方です。Minimalのチョコレートは美味しいだけでなくカカオ含有率が高く、抗酸化作用の高いポリフェノールがたっぷりなので健康にも良いですからね。あとおしゃれ。

・マーケティングの仕事に関心がある
・事業成長に貢献できる思考を身に付けたい
・チョコレートが好き

こんな方はフォロー推奨でございます。

こんなのがRTされてきます。美味しそうでしょ?

本書はどんな本か?

さてさて。Minimalの素敵な情報もRTしてくれる山口さんですが、本書には当然ながらチョコレートの話は出てこず、マーケターのキャリア形成の話が満載です。山口さんは自身のnoteに執筆の動機のひとつとして以下のように書いています。

私が新著『マーケティングの仕事と年収のリアル』を書き始めた動機のひとつに、非常に高い才能やまじめに努力する習慣をもちながら、年収が500万~600万円で頭打ちになり悩んでいる人が多いことがありました。その年収が高いか低いかはさておき、彼らが比較的若いうちから、自分のキャリアをどう築くかという視点をもってさえいれば結果は違った、と思うのです。
彼らのうち何割かは、ほかの業界や会社に行けば年収を伸ばせた可能性があります。同時に、マーケティングの仕事が好きで才能がありながらも、収入が伸びないために諦めて他業種に転職する人も沢山います。これは、業界として大いなる損失です。
ですから今回の著書では、読者のみなさんがマーケティング職としてめざす姿と報酬を早期にイメージできて、キャリア構築に役立ちそうな視点を提示していきます。
〜(中略)〜
納得できる仕事を見つけるには、「戦略」が必要です。成長の道筋を示し、幸せになるための意思決定のポイントを伝授するのが『マーケティングの仕事と年収のリアル』です。マーケティング業界の8つの流派など、リアルな真実が詰まった1冊です

自分自身の長期的なキャリアプランを戦略的に描いている人って多くないと思うんです。サラリーマンとして会社に入社をし、年次の近い先輩に仕事を教わり、日々の仕事に取り組むことで自身の成長はある程度実感はできるじゃないですか。それに日々忙しく働いていたらなかなか長期の目標を考える機会もないものですからね。

過去に事業を興した経験がある方や、確固たる目標がある方、または他者との交流を踏まえ客観的に自分自身を振り返る機会が多い方であれば、しっかりと目標に近づいているか”戦略的”に考えるのかとは思います。とりあえず環境に身を置き、その中で自分の今後の在り方を考えて行くようなスタンスであれば、長い年月を過ごしてしまってから自分の戦略が非効率であったことに気づくのかもしれません。僕はどちらかと言うと後者のような人間ですので、戦略不足を突きつけられる本書はグサグサと刺さりました。

あ。僕(私)、戦略不足だったかも。

そう思ったら買って損はない本かなと。

・年収500〜600万円で頭打ちとなっているマーケターが多い

・本書は戦略不足の人に「グサッ」とくる本

マーケティング職の人にマーケティング戦略不在という悲劇

もう、この見出しだけでグサリと来ませんか?

開始3ページ目で出てくる表現なのですが、ハッとさせられます。

マーケティング業界で働いていても、労働市場に置ける”自分”という商品のマーケティング戦略がおろそかになっている人は意外と多いのです。
もちろん、単なる怠惰ゆえではなく、自分を客観視する難しさがあるからでしょう。そして、デジタル化によってマーケティング施策の専門分野が細分化された結果、マーケティング全体を俯瞰して見渡しづらくなったことも一因でしょう。

「実力を伸ばせば、年収も自然に高まる」と考え、キャリアを作る戦略に無頓着だと、自分の市場価値の見定めや、キャリアを作るために不可欠な意思決定を忘れ、大きなロスが発生します。それは「良い商品さえつくれば売れるはず」と過信して成果を出せないような、マーケティングが下手な会社と同じ過ちです。

自分を客観視する難しさ。確かに難しいのだけどこれをしっかり持ち続けたいものです。これには素直な姿勢を持ち続けることや、メンターを活用することが良さそうですよね。

・労働市場における”自分”という商品のマーケティングがおろそかな人は多い

・自分のキャリア戦略に無頓着だと大きなロスが発生する

マーケティング領域のキャリアプランはどのように形成して行くのが良いのか?

戦略不足については分かりました。ではどうやってキャリアを形成していけば良いのか?

マーケティングのキャリアは以下6つの成長ステージに分類されるとの事。

1.マーケティング業務の見習い
2.特定業務の担当者(ワーカー)
3.特定領域の専門家
4.ブランドマネージャー
5.ブランドマーケティング全体の責任者
6.マーケティングに強い経営者

本書では、上記内容が成長ステージごとに「目指す水準」「必要とするスキル」「重点的にインプットする情報」など丁寧に書かれております。3→4に進めなかったり、ロールモデルがいなくて何を手をつけたら良いかわからない方を含め、目指す基準を知るのはできるだけ早い方が良いですよね。マーケティングに携わる方、また既に関わっている方も、何かを知るのに今日より早く知れる日は来ないのですから、ちょっと出遅れたとしても過去は気にせずに行きましょう。

気になっていた本も推薦書籍の1つとして紹介されていました。読もう。

 

自分のキャリア構築の軸を決めよう

本書の構成は以下の通り5章構成となっています。実践例、ありがたいですね。

第5章の実践例では「事業会社を軸としたキャリア構築」「支援会社を軸としたキャリア構築」と所属企業の立ち位置ごとに分類をしています。事業会社側で言うと、「自社を愛するコミット型」「王道キャリアアップ型」「ヒット実績で渡り歩くブランド人型」の3つで分類されています。
僕自身は事業会社に所属をしていますのでここを特に興味深く読ませて頂きましたが、「向いている人のタイプ」「良い機会を得るポイント」「留意すべきリスク」「この型のロールモデル」と整理してくれているのが非常にわかりやすい。「留意すべきリスク」なんて本当もうおっしゃる通りの内容でこれまたグサグサときました。戦略を決めた後には一度実践してみることが大切ですので、リスクも踏まえてまた今日からもう一つ視座を上げて頑張ってみようと思います。

・事業会社と支援会社のどちらを軸としたキャリアを構築するのかを理解しよう

・リスクのないキャリア構築はない。撤退ラインを決めてマネジメントしよう

ところで、山口義弘さんとは何者なのか?

・ベンチャー企業にて創業メンバー 取締役
・東証一部メーカー子会社にて、戦略コンサルティング事業部 事業部長
・東証一部コンサルティング会社にて、ブランド・コンサルティング・デリバリー統括
・デジタルマーケティングエージェンシーにて新規事業マネジャー

上記を経てブランド・マーケティングのコンサルティングを提供するインサイトフォースを設立。これまで累計100社以上のコンサルティングを手がけ、BtoC~BtoB問わず大手企業のブランド・マーケティング領域における戦略策定、4P施策展開支援、ワークショップ・教育研修に豊富な実績を持つ。

Noteで上記のように自己紹介を書かれていますが、本書の後半では学歴を始め、どうやってキャリアを形成してきたかなどのちょっと深い話も書かれていました。元々チョコが好きという時点でなんとなく好感度が高いのに、本書で自身の経歴を素直に話されていてやっぱり素敵な方だと思いました。

山口さんってどんな人?

と気になる方は、本書の後半も楽しく読める一冊かなと思います。